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When Kaleidoscopes Collide / ELEVENER
火薬バカ一代 ★★★ (2025-05-15 00:52:45)
90年代に日本デビューを飾り、今は亡きゼロ・コーポレーションの初期カタログを彩ったことでも個人的に記憶に残っているスウェーデン出身のHRバンドM.LLI.ION。そこのメンバーであったヨハン・ベルグクイスト(Key、Vo)が、幼馴染のアンドレアス・ブローデン(G、Ds)と共にELEVENERなるプロジェクトを立ち上げ’、08年に発表した1stアルバムが本作となります。
M.LLI.IONはデビュー作『No.1』はポップ・メタル風味で、作を重ねる毎にGとオルガンがバトル繰り広げる初期PRETTY MAIDSやBISCAYA辺りに通じる様式美HM色が増量されていきましたが(’04年リリースの5th『KINGSIZE』はなかなかの力作でしたよ)、本作で披露されているのは何なら『No.1』以上にポップ寄り、煌めくKeyがまず曲の基盤を作り上げ、そこにテクニカルなだけでなく歌心に溢れたGと、透明感を湛えたキャッチーなメロディ、華やかなボーカル・ハーモニーとがトッピングされた北欧ハードポップならではの魅力を振り撒くサウンド。ヨハンがKeyと兼任するVoはやや表情に乏しい印象ながら、彼が歌い上げる甘いメロディはしっかりとこちらの胸に突き刺さってきます。「北欧風味に料理されたJOURNEYか、はたまたASIAか」といった感想が沸き上がる①②、思わず口ずさみたくなるサビメロやフレーズが散りばめられた⑦、爽やかなに吹き抜けていくハイライト・ナンバー⑧、神々しい雰囲気漂わすパワー・バラード⑨…と、フックの効いた楽曲が連続する本編を聴くにつけ、本作の知名度の低さを惜しまずにはいられませんよ。
まぁ2nd『SYMMETRY IN MOTION』(日本盤未発売)を未だ聴いたことがない我が身が言えた義理ではありませんが。
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